新出文法項目:〜ながら、〜ば、〜なければならない、AかB
新宿のイタリアントマトで
アン「遅くなってごめん。出ようとしたところに、電話がかかってきちゃって。」
雪子「いいのよ。元気、アン。」
アン「うん、元気よ。でも仕事は大変だけどね。前は先輩がいろいろ教えてくれたからよかったけど、今は全部一人でやっているから責任が重くてね。でも、すごくおもしろいわよ。」
雪子「本当。それはよかったわね。あっ、あの水野先輩、どう、このごろ。」
アン「ああ、彼女ね。大丈夫よ。雪子が、後輩は後輩らしくして、話し方なんかも気をつけるようにしてみたらって教えてくれたでしょう。しばらくそうしてみたのよ。そうしたら、また親しくしてくれるようになって。やっぱり私の話し方が原因だったみたい。難しいわよね。外国人が日本の会社で働くのには、日本語が話せるだけじゃだめなんだから。」
雪子「そうね。日本の習慣なんかも分かっていなきゃいけないしね。」
アン「そうなのよね。あ、そうそう、雪子。お母さんになるんだって。おめでとう!」
雪子「えっ、だれに聞いたの。」
アン「高校の時にクラスが一緒だった桜木さんから。この前の日曜日にデパートで彼女に会ったのよ。久しぶりだったからちょっと話したら、雪子のこと教えてくれたの。」
雪子「ああ、そうだったの。アンにも連絡しようと思いながら、ついつい。ごめんね。」
アン「いいのよ。雪子もいろいろしなきゃいけないことがあるんだろうし。いつ分かったの、赤ちゃんのこと。」
雪子「えっと、三週間ぐらい前かしら。ちょっと具合が悪かったから、病院に行ったの。そうしたら。急でびっくりしちゃった。」
アン「へぇ。でも、嬉しいでしょ。」
雪子「うん。でもね、子どもが生まれることになると、しておかなければならないことがたくさんあるから。」
アン「そうね。仕事はどうするの。」
雪子「うん、それが一番大きい問題なのよね。」
アン「子どもを育てながら仕事を続けるのは、大変でしょ。」
雪子「うん。会社ではちゃんと仕事をしなきゃいけないし、家では親としての責任もあるし。」
アン「もし、仕事か家庭のどちらかを選ばなければならなくなったら、どうする。」
雪子「そうねぇ、難しいわねぇ。その時になってみなきゃ分からない。でも、子どもが生まれたら、しばらく仕事を休まなきゃいけないでしょうね。」
アン「そうね。予定日はいつごろ。」
雪子「来年の一月三十日ごろらしいわよ。」
アン「へぇ。女の子か男の子かどちらの方がいい。」
雪子「どちらも欲しいんだけど、はじめての子どもは女の子の方がいいかしら。日本では「一姫二太郎」と言って、最初の子どもは女の子、次は男の子がいいって言うのよ。」
アン「どうして。」
雪子「女の赤ちゃんの方が、育てやすいかららしいわよ。まあ、子どもによっても違うと思うけど。」
アン「へぇ、知らなかった。名前はもう決めた。」
雪子「ううん、それが難しくてね。でも、冬に生まれることになるから、冬の季節に関係がある名前がいいと思っているんだけど。アン、何かいいアイデア、ある。」
アン「そうねぇ。今までいろいろなすてきな名前を持った日本人に会ったけど、まず男の子か女の子かわからないと名前を考えるのも難しいわね。」
雪子「それは確かにそうね。まだしばらくわからないと思うけど、先生に聞いてみようかしら。でも生まれるまでわからない方が楽しみがあっていいかもしれないし。」
アン「雪子の名前は、やっぱり季節に関係あるんでしょ。」
雪子「そうなの。私の名前は別に珍しくないけど、私が冬の雪が降っている日に生まれたから、両親がどうしてもこの名前にしたかったらしいわ。」
アン「へぇ、そうだったの。それに雪子は雪のように色が白いしね。雪子の赤ちゃんが見られないのは残念だわ。私、そのころはアメリカにいるでしょ。生まれたら写真を送ってね。」
雪子「うん、そうするわ。楽しみにしていて。」
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